こんばんは!鉄太郎です。 

ドラフトから早くも1週間が経ちました。
外出自粛のゴールデンウィーク、
皆様いかがお過ごしでしょうか?

現地では2020年ドラフトを批評する
記事が溢れかえっていますね。
しかしそのような記事の多くが
印象論によっているように感じます。

パッカーズがQBロジャースがいるのに
QBラブを取ったからD評価!とか
レイブンズが良い選手を指名しまくった
のでA+評価!などなど・・・

それらの記事も言ってしまえば
フレーバーのようなもので、
雰囲気を楽しむための記事かなとは思いますが、
何がしかの数値をもって評価が出来たら
更に面白くなるんじゃない?という・・・

特に"価値の高い選手を指名出来たこと"
"ニーズから外れない指名を出来たこと"
"保有する指名権を上手く駆使出来たこと"

この3つの要素を明確にして数値化出来れば、
納得感のある評価に近づけるんじゃないかと。

ということでやってみました。 
   ↓
2020 NFL Draft 評価
2020-05-02

リンクを右クリック→名前を付けて保存
でご覧いただけます。


 ◎数字で評価するまでの道のり

①候補選手の価値を数字にしたい: 

まず評価するにあたって必要なのが、
選手の価値を数字にすることです。
比例尺度として使用できるものがないかなと
考えた際に思い当たったのが、
このトレードバリュー表でした。

tradevalues_2020

これはドラフトの255個の指名権の価値を
それぞれ数値化したものです。
例として2020年ドラフトのトレードで紹介すると

〇New England Patriots
・1st Rd 23rd pick (760)
    ⇅
〇Los Angeles Chargers
・2nd Rd 37th pick (530)
・3rd Rd 71st pick (235)


こういうトレードが1日目にありました。
赤字がそれぞれの指名権の価値ですが、
見事にほぼ等価交換となっていますね。

またドラフト候補選手をランキングした
Big Boardというものがあります。
ドラフト前に紹介したものですね。
こちらはその年の候補選手をランク付け
したもので各所がドラフト前に発表しています。

これらを組み合わせることで数字を
出せるのではないかということが、
この道のりの出発点でした。

例えばレッドスキンズに全体2位
指名されたEDGE Chase Young
候補の中で一番の選手であるとするならば、
全体1位相当の3,000の価値がヤングには
あると仮定するということです。

これらの数字を候補選手に当てはめることで、
指名された選手の価値が数値になります。
それを足し合わせれば、それぞれのチームの
ドラフト全体の価値も導き出せるのではないか。
という結論に至りました。

②数字の妥当性を上げたい: 

そうは言っても候補選手のランキングである
Big Boardの妥当性をどのように担保するのか。
それが問題となります。
私が勝手にWRクレイプールが一番の選手だ!
なんてしてしまったら、誰も納得しません笑

ということで星の数ほどあるサイトの中でも
信頼と実績のあるサイトを複数選んで、
彼らが作成したBig Boardを選手の価値に置き換え、
その平均を取ることにしました。
選んだのは以下の5つのサイトです。

〇NFL.com
NFLの公式サイト。
一番多くの選手が掲載されています。
コンバインの数値から各選手の長所・短所まで、
ファンが楽しめる要素をたくさん掲載している
ところにNFLのエンターテイメントとしての
凄さを感じますね。

〇PFF(Pro Football Focus)
皆んな大好きPFF。
様々な指標を用いて独自の評価をしています。
フランチャイズQBがいないチームは
どんどんQBを指名すべし!とか
RBは代替可能なので、高い位置では
指名してはいけない!などなど
鉄の戒律があったりします笑

〇ESPN
ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下の
スポーツ専門チャンネル。
アメフトをガンガン放送する有り難い放送局。
カレッジフットボールも放送する関係で
強豪大学の選手のランクが高くなる傾向も。

〇CBS
アメリカ最大の放送局の一つ。
247Sportsというカレッジフットボールと
カレッジバスケットボールを主に扱うという
ドラフトにうってつけのサイトを運営しています。

〇Drafttek

ドラフト専門サイト。
ドラフト候補TOP500なんていう
誰得なランキングまで作成しています笑
細かく分けたポジションを段階的な
ニーズに配置しているチームニーズ一覧は必見。

以上の5つのサイトが作成したBig Boardの
平均を取って妥当性を担保しようと試みたのでした。

③チームニーズとの関係を表したい: 

ここまでの過程によってそれぞれの指名と
選手の価値がある程度の妥当性をもって
数値化出来るようになりました。

しかしドラフトでもう一つ大切なのは、
チームが必要とするポジションを指名したか?
というポイントです。
TEが既にチーム内に9人いるにも関わらず、
またおかわりする指名はお世辞にも
ニーズを満たした指名とは言えません笑

こうしたニーズを外した指名を数字に
反映させなければ、ポジションを無視して
指名してもいいやという結果になってしまいます。

そこでそうした指名には"0.8"という
係数を乗じて評価することにしました。
具体的には、
"Minimal Needに該当する指名"
"同ポジション3人目以降の指名"
"K, P, LSというSTの指名"
この3つに対して適用しました。

但しこの数字及び対象は恣意的なもので、
BPAとニーズをそれぞれどれぐらい
重視するかによって変動するものです。

今回はよりBPAの方を重視するという
考えを下に設定させていただきました。

④やってみた感想と課題: 

以上①~③の段階を踏んで評価方法を
作成した結果、上記のエクセルのような
評価が出来上がりました。

感想としては、叩き台として
まずまずのものが出来上がったん
じゃないかなと思っています。
選手の価値を総合するとスティーラーズが
ダントツ最下位というのが、
納得感を裏付けていたり・・・笑

課題としては主には以下の2つでしょうか。

・Big Boardの信用性
今回いわゆる大手の作成した
Big Boardを抽出して評価を定めました。
TOP100まで作成しているサイトは
多かったのですが、TOP250まで
作成しているサイトはあまりなく、
結果として5つしか載せられず・・・
量が担保出来ていないため、
信用性もそこまで高くないかもしれません。

・ニーズとの摺り合わせ
ニーズをどこまで反映させるのか、
これも中々の問題でした。
例えばニーズを重要性から
5つとかに分けて、それぞれに係数を
当てはめることも考えましたが、
あまりにも客観性を欠いてしまう...
ということでシンプルにニーズでない
ポジションに限定して、
減点する方式を採用しました。
各チームの詳細なニーズを反映させる
ことが出来ればより良い評価に
なるんだろうなと思っています。

⑤まとめ: 

ドラフトを数字で評価したいという
この企画については以上となります。
評価付けや分析などについては
小学生の自由課題レベルで恐縮ですが、
大目に見ていただければ幸いです。

個人的には楽しかったので良し笑
バリュー×ニーズによって指名を
評価してみたいという、
安易な気持ちから始めてみましたが、
この試みが読んでくださる皆様に少しでも
ネタを提供出来ていれば嬉しい限りです。

次回からはこの評価で出された数字を下に
各チームのドラフトを見ていきたいと思います。

"全体でどれほど価値ある指名が出来た?"
"保有指名権と比べて上手い指名?下手な指名?"
"トレードによって得をした?"

などを取り上げつつ、
1日1チーム書けたらいいなあと笑

それではここまで長文を読んでくださった方々、
誠にありがとうございました。
AFC東地区ペイトリオッツ編へ続きます。

鉄太郎でした


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2019-09-07